弊社では、函館出身で、「河童」をモチーフとする独特の絵画で知られる画家、植木蒼悦の作品を展示する常設施設「五稜郭タワーコレクション『植木蒼悦ギャラリー』を公開中です。

2025年 夏季展示
「異界の存在としての河郎」

期間：2025/5/24(土)〜2025/8/22(金)

植木蒼悦は、1980年に開催された個展に際しての新聞の取材に対して、河童に興味を持ち始めたのは、北九州は門司での税関勤務時代に、河童伝説の多い九州の伝承に登場する河童が人懐こく親切な、情の深い動物として描かれていたからと答えています。
彼が描いた河童は、社会の不合理さや権力に対する怒りや悲しみを表現する厳しい表情や、反対に穏やかな気持ちや楽しいひと時を表現した、伝説にある、人間に近い姿で表現されたものが多くみられます。

しかし対照的に、一切の擬人化を拒否したような、人間とは相容れない、異なる世界の存在としての雰囲気を湛えた河童も存在しています。これらは単に眼つきが鋭い、怖い顔をしているといった表面的なものではなく、存在する世界自体が違うようにも感じます。
先の記事では「かっぱだか人間だかわからないように描くのがよい」とも述べています。滑稽さや怒りなどの擬人化された河童たちの中にあって、蒼悦が理想とした河童の姿は、人間の感情や価値観の埒外にある存在であったのではないかと思います。
しかし、妖怪というよりも、地球に降り立った異星人のように見えてしまうのですが・・・。

開館時間

9:00〜18:00
観覧無料／ご自由にお入りください
※ギャラリー内での飲食、また飲食物の持ち込みはできません。

次回開催の展示

2025年 秋季展示
「未定」
展示期間：2025/8/23(土)〜